ASTRO BOYなんかよりPLUTOで劇場公開すればいいのに。

Jul 2, 2009

今年2009年の10月に鉄腕アトムが
ハリウッド版として公開されるんですが、
なんかしっくりこないんですよね。

ということを、完結したPLUTO最終巻を改めて読んで思いました。
そもそも鉄腕アトムは、人間とロボットとのドラマ、
という説明で簡単にまとまるほどシンプルなアニメでは、決してない。

戦争を経験している手塚治虫が、核ミサイルに対する嫌悪感から
科学の正しく使った形=鉄腕アトムを生み出したんです。うん。

醜い人間の心と戦い続ける、
っていうのが根っこにある手塚治虫のアトム像。

そこらへんのコアな部分が、
きっとASTRO BOYでは、
表面的なきれいごとでまとまって終わり。
だと思う。多分きっとそう。

実際、アトムが人気絶頂のときに発した、
手塚治虫の「あれは名声と欲望のために描いているのだ」というコメントは、
ファンの間では有名な話ですが、

本当にアトムを通して手塚治虫が伝えたかったことは、
ASTRO BOYだけじゃなく、当時放送した鉄腕アトムにも、
含まれていなかったのではないだろか。

僕が今回言いたいのは、
浦沢直樹のPLUTOは、かなり手塚治虫の意図を
汲み取られて書かれたオマージュ作品なんじゃないか、ってこと。

内容はネタバレしちゃうので割愛しますが、
このPLUTOは、オマージュ作品(リメイクかな)で一番大事な、
原作の忠実な描写と、作者のオリジナル要素とのバランスが、かなり絶妙。

ここまで原作のストーリーを壊さずに、
本来の鉄腕アトムの持つメッセージの本質を含めて描写した浦沢直樹に、脱帽です。

true<おまけ>
PLUTO最終巻(8巻)より感動のシーンを抜粋。

白坂翔
白坂翔

1984年生まれ。ボードゲームカフェJELLY JELLY CAFEオーナー、将棋カフェCOBINオーナー、マーダーミステリー専門店Rabbitholeプロデューサー、株式会社人狼の代表取締役。ポーカーとゴルフが好きです。MORE

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