伊坂幸太郎「あるキング」を読みました
昔からの伊坂幸太郎のファンでして、
前作モダンタイムスから1年ぶりの新作「あるキング」が
発売されてたので早速買いました。
あるキング おすすめ平均 伊坂幸太郎に求めていなかったものがあった よかったです 変化球? 多くを望め、多くを望むな 確かにいままでの作品とは違う。でもやっぱり伊坂幸太郎 Amazonで詳しく見る |
内容はこんなかんじ。
野球選手になるべくして運命付けられて生まれた天才、王求(おうく)。常にリーグ最下位争いの位置にいる地元球団の熱狂的なファンの父母のもと、ただ野球選手として「王」の道を歩み続ける王求の運命の物語。
伊坂幸太郎自身、
「これまでの僕の小説にはないタイプ」
と言っているくらいなので、
今までの伊坂作品になれちゃった人には微妙みたいですね。
実際、ネット上での感想はそこまでよくないです。
でも、僕は結構好きだったなぁ。
確かに最後。ちょっともやもや残るけど、
伏線を回収するだけがイイ小説じゃない。と思う。
むしろ、映像化を全く想定してない潔さ、
フィクション感が、これぞ小説!
ってかんじで楽しめましたね、僕は。
むしろ、たまにはこういうテイストでも書いてくれないと、
ディズニーアニメみたいに
「ああ、どうぜまたこういう展開で最後はこんなかんじね」
っていう、なんか期待の中側だけで楽しむみたいになっちゃう。
そういう意味では、伊坂幸太郎が言ってた
「読者は減る覚悟で」っていう
今回のスタンスがとても格好よく見えてくる。
「伊坂幸太郎はこうでなくっちゃ!」
と思いたいファンにはオススメしませんが、
言葉遊びのセンスは健在だし、
そういう枠にとわられないで読めるひとには
楽しめる小説だとおもいます。
そんなに長くないし一気に読めちゃうので、
ぜひ、どうぞ。